【新事業開始】病状迅速・確定診断システム開発事業~超高速PCR装置

このたび当社では病状迅速・確定診断システム開発事業を開始いたします。

当社が保有する「1細胞ハンドリング技術」「ロボティクス技術」「マイクロデバイス技術」を駆使し従来困難とされてきた、迅速確定診断とマルチプレックス診断を、国内外の企業・アカデミア機関と共同することで実現化を後押しいたします。

特に直近の活動として、当社は理化学研究所と共同で「超高速PCR遺伝子増幅装置」を開発いたしました。これは従来の一般的なPCRで用いられるサーマルサイクラー装置とは異なる設計を行い、高速化と低価格な原材料での装置化を実現しております(特許出願中)

現在、広く先進国で利用されているPCR検査の装置はコンタミネーションの観点から、蓋を開けずに検出が可能なリアルタイムPCR(定量PCR)となっており、この装置の一般的な価格は日本円で300万円~500万円ほどです。先進国ではこの装置を用いて毎日懸命に新型コロナウイルスのモニターを行っていますが、世界全体に目を向けるとこれらの高額かつ先進的な装置を発展途上国が積極的に導入し、かつ正しい使用方法で使用しているかについては懐疑的なところがあります。

東南アジアから中近東、アフリカ全土にかけてこれらの国々では新型コロナウイルスは脅威ではありますが、それよりも以前より更なる脅威が存在します。「マラリア」です。

マラリアは世界で毎年2億人以上が感染し、そのうちの0.2%以上が死亡します。恐ろしい感染症で、感染すると高熱だけではなく様々な症状をもたらし、慢性化したり後遺症、幻覚症状などが現れます。マラリアは一度感染して治ると免疫も出来るため感染しづらくはなりますが、現在5~6の主な種とそれぞれの亜種が存在し、新たな種では以前の免疫は役に立たないことも多く、再び感染します。感染後に種を同定し、各種に対応する薬剤を投与すると予後は良好になる可能性が高くなり、逆にそのままにすると慢性化する方向へ向かってしまいます。

上述したリアルタイムPCR装置が、発展途上国の都市部以外の各地方にも導入されていることはありえず、そのようなところでは限られたインフラで検査を行い病気の判定をしなければなりません。結局これが出来ないと、感染症は収束しない可能性が高いです。これはマラリアだけではなく、新型コロナウイルスでも同様で、例え先進国で感染を抑えたとしても数か月後には発展途上国で発生した新たな型が各国に拡大することになりかねません。

「マラリア」の話に戻りますが、マラリアはハマダラカが媒介し、ハマダラカの仲間は世界各国に存在します。数年前に都内の公園で行われたイベントの参加者がデング熱に感染しており、その人の血を吸った蚊が媒介し他の人の血を吸ってウイルスを移すことで結果162人が感染するということが起こりました。デング熱も恐ろしい感染症ですが、これと似たようなことが今後マラリアでも起こる可能性は高く、世界の国々では毎年このような事が発生しています。

いずれにしても、感染症で重要な概念は、その病原体(ウイルス、病原菌、寄生虫)の総量(総数)を考えることだと思います。例えばあるウイルスの免疫が獲得された場合、免疫を獲得していない人に比べて体内で増殖する量は極端に減ります。新型コロナウイルスがどのくらいの数ほど体内で増殖するかよく分かりませんが、インフルエンザウイルスは症状が出ている患者であれば、少なくとも体内に数百億以上は存在し、1回のくしゃみで数百万のウイルスが飛散するとも言われています。免疫力が既に高い人であれば、放出数は、ほぼゼロに近い人もいますし、数十個の人もいたり、数百個の人もいたりと様々ですが、要は体内での保持数が多い患者1人が外出し、広範囲を移動し、外でくしゃみを10回して1億個近いウイルスを放出することと、軽症の人10,000,000人がそれぞれ各自10個のウイルスを落とすこととは、同じことなのです。しかしながら、当然一人の活動を抑えることと、1000万人の活動を抑えることは、重みが全く違うことは一目瞭然です。

実際に現在は、大多数の活動を抑制することが新型コロナウイルスで起きており、誰に対してもそうではありますが、特に子供たちへの時間的束縛や自由度の制限は将来どのような影響を及ぼすか計り知れないところがあります。

複雑系の話ですので、一つの答えはありません。現状の対策が合っているか間違っているかなど、誰にも分からない話ですので、誰を責めてもいけませんし、誰かを責めてもしょうがないのです。将来更に毒性が強くなるのであれば、早いうちにかかっておいたほうが良いという事になりますし、毒性が強くならず、今回かかったことで後遺症が残るのであれば、かからなかったほうが良かったということになります。

ウイルスの感染症は、当初の摂取量により症状の重さが変わるとも言われております。また、あまり一般的に議論になっておりませんが、同時に2種類以上に感染することもありえることです。今後、抗ウイルス剤が上市化されてきたときに、処方の基準として「ウイルス陽性か陰性か」を診断することがカギとなります。現在、新型コロナウイルスは体内での増殖個数がインフルエンザよりも少ないため、ELISA(抗原検査)ではほとんど検出できません。そのためPCR検査が必要になりますが、前述の通り高額であるため各クリニックに準備することも難しく、また検査時間も最短で1.5時間はかかります。

今回、当社が開発した超高速PCR装置は、材料費が数千円で済んでおり、現段階では約13分でPCR反応が完了しております。今後更に時短化を図り、最短7分を目指します。また、この装置はPCRの増幅反応のみですので検出が必要ですが、検出には目視可能なDNAクロマト検出技術を保有する協力企業とタイアップいたします。合計約15分でサンプルの増幅から検出までを完了させ、発展途上国に浸透するよう活動してきます。