病状迅速確定診断

<迅速診断装置への応用① ~ウイルス・細菌の網羅的高感度観察~>

子どもは免疫機能が確立しておらず、また、園や学校で集団生活を送る機会も多いため、発熱したりせきが出るというような風邪様の症状が頻繁に起こります。

その際に自宅近くのクリニックに行き、インフルエンザや溶連菌などのいくつかの限られた病気の検査キットを用いて、陽性(+)か陰性(-)の結果により診断を行います。

陽性の場合は決まった薬を用いて治療を行いますが、多くの場合は陰性が出ます。その時、医師は世間で流行している病気の状況や経験に即する見立てで病状を判断します。しかしながら、これがいつも正確な診断であるとは言い切れません。また、上述の検査なども症状が発生してからある程度の時間を経ないと検査キットの検出感度の問題で確定できない場合が多くあります。

 

<迅速診断装置への応用② ~救急患者の迅速病状判定>

一人暮らしの年配者が増えることで救急要請(119番通報)が増加することも想像できます。

患者が「胸が苦しい」「右腹部が痛い」など自分で症状を説明できる場合は、駆け付けた救急隊員が初動の対応や検査を行うための最も参考となる情報となりますが、駆け付けた時には、患者が倒れて意識が無いことなども少なくありません。

そのような時に、少量の血液などから血液中のたんぱく質を網羅的に高感度で検出することが可能となると、例えば急性膵炎なのか、心筋梗塞なのかなどが迅速かつ正確に判定をすることが可能となります。

このことにより時間が勝負となる救命救急時の対応(応急処置・病院選び・治療方法・手術)などが的確に行われ、医療の質が向上します。

 

<迅速診断装置の応用③ ~麻疹・風疹・水ぼうそうなど現在の免疫獲得状況の把握>

妊婦が麻疹(はしか)や風疹などの感染症にかかると、胎児に悪影響を及ぼし出生後に障害を持つ確率が高くなります。しかしながら、自分やパートナーを含めて、現状どのくらいの獲得免疫を保持しているかはほとんどの人が把握しておりません。これらを把握するための免疫検査キットは存在しますが、個別の感染症ごとに分かれており、各感染症ごとに何度も調べなければならず、また費用もかかります。これらを簡便に一度の検査で判定する必要があります。

 

<迅速診断装置の応用④ ~アレルゲンや毒素の高感度検出>

大量消費、大量生産時代の昨今、身近にある食品は工場で大量生産されたものがほとんどです。また、穀物や畜産物なども同様に大量生産を行っています。消費需要に対応するためには仕方がないのですが、工場では食品製造の過程で抽出や精製の過程を経ます。その際には溶剤や酸・アルカリ溶液を使用し、最終段階までに除去を行いますが、そのような溶剤などの残留や副産物が体に悪影響を及ぼす可能性は否定できません。また、同様に穀物の残留農薬や、食肉・乳・鶏卵などに含まれる飼料中の各種薬剤も残留している可能性が少なからずとも存在します。

しかしながら、現在の計測技術では極々微量の化合物や元素を検出することに限界があります(fmol~amol:10,000,000~10,000分子以上)

細胞には更に極々微小量(数分子)であっても反応する機能があります。

細胞表面のレセプターたんぱく質に化合物が1分子結合するだけでも反応が起こると考えられます。ある種の昆虫の性ホルモン嗅覚機能などは非常に高感度であることが知られています(2km以上離れたメスを検知する等)

細胞を1個づつマイクロデバイスに並べ、細胞センサーとして検査を用いる事を想定し研究が進められている例もあります。

https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/pdf/2015/2015_05_p08.pdf

 

 

<当社が目指す確定診断検査キットの概要>

本装置はクリニックのみではなく、集団生活を行う各場所(企業、学校、園、商業施設、自宅、等)において必要となる装置です。

実用化をするために必要となる当社保有の基盤技術

・抗体高生産細胞迅速スクリーニング技術

・微小液量分注技術

・マイクロデバイス製造技術

・高効率導波路照明技術

・XYステージモーター制御技術

・画像検出/画像処理技術

・上記技術の小型/低コスト化

(市村清新技術財団 第102回新技術開発助成に採択され開発を進めております)